March 28, 2022

トレード中に感情をコントロールすること

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    トレードにおける感情管理

    優れたデイトレーダーになりたいなら、感情をコントロールすることを学ばなければなりません。デイトレードでの成功と失敗を分ける最大の要因は、自分の感情をどれだけ制御できるかにかかっています。ほんの一瞬の気の緩みが、積み上げてきた利益を一晩で失わせることもあります。

    したがって、トレーダーとしては、自分のメンタル状態がトレードに与える影響を深く理解することが大切です。1日の取引を冷静かつ明確に進めるためには、注意すべき感情を特定することが第一歩となります。荒れたマーケットの日でも冷静さを保てるようでなければ、安定して勝ち続けるのは困難です。

    また、トレードは確率のゲームであり、日々感情のジェットコースターに乗っていては長く続きません。ですから、感情を制御するための具体的な戦略や方法を持つことが必要です。

    もし、まだそれらを確立できていないのなら、この記事を読み進めて、トレード中の感情をどう管理すべきかを学んでください。

     

    トレード中に注意すべき感情

    まず最初に学ぶべきは、トレード中に注意すべき感情を理解することです。 ただし、すべての感情が悪いわけではない点にも注意しましょう。たとえば、統計や経験に基づいて「直感的に正しい」と感じるのは、時に非常に理にかなっています。

    とはいえ、以下の3つは、特に注意が必要な感情です。

    恐怖・不安

    トレードに対して恐怖や不安を感じることは、最も避けたい感情の一つです。トレードは本質的に「計算されたリスクを取る」行為です。恐怖が判断を支配するようになると、非合理的な決断を下してしまうリスクが高まります。

    トレードにおける不安の最も一般的な原因は、「ポジションサイズが大きすぎること」です。 自分がまだ大きく張る準備ができていないなら、大きく張るべきではありません。適正なサイズを超えてトレードすれば、ボラティリティの影響も大きくなり、予想外の大きな損失を被ることになります。

    確信・興奮

    確信や興奮といった感情は、トレードに入る際に自信を与えてくれるポジティブな感情です。 ある取引に対して強い確信を持っているなら、それはあなたのトレードプランに合致した好機かもしれません。

    逆に、確信やワクワク感がほとんどないトレードであれば、それはあなたの戦略に即していない可能性があります。ここで言う

    欲張り・過信

    また、株式トレード中に「欲」を感じることは、避けるべき感情のひとつです。

    「大きく勝てるトレードだけを狙いたい」と感じているなら、それは欲から来ている可能性が高く、一度自分自身を見直す必要があります。 トレードで野心を持つのは悪いことではありませんが、欲張りになると話は別です。欲に支配されると、ちょっとした気の緩みでドローダウン(損失の蓄積)に陥る可能性があります。

    そして、「欲」と「過信」が組み合わさると、トレーダーにとっては最悪の感情コンボになります。 そうならないためにも、常に基本的なトレードルール(例:利益目標、損切りライン、良いエントリーセットアップ、リスク管理)をきちんと守っているか確認しましょう。

     

    感情的にトレードすることの影響

    トレードで避けるべき感情と向き合うべき感情が分かった今、あなたはプロのトレーダーに一歩近づきました。とはいえ、感情に基づいたトレードには多くの落とし穴があり、結果的に大きな資金損失につながる可能性があります。

    以下は、感情的なトレードによって引き起こされる主な影響です:

    不要なリスクにさらされる

    株式市場でのトレードには本来多くのリスクがつきものです。体系的なリスク(マーケット全体の動き)と非体系的なリスク(個別銘柄のリスク)の両方が存在します。そのため、トレーダーは通常、これらのリスクを軽減するためのトレード戦略を活用します。

    しかし、感情に流されてトレードしてしまうと、視野が狭まり、避けられるリスクにまで無防備にさらされてしまいます。どの銘柄をトレードするにせよ、基本的な戦略に基づいた判断を下すことが重要です。

    たとえば、市場が強気に大きく上昇しているとき、焦りからあまり調査もせずに銘柄を買ってしまうトレーダーがいます(いわゆるFOMO:取り残される恐怖)。このような行動は、リスクを大きく高め、資金損失の可能性を大幅に増やします。

    結果が目標と一致しなくなる

    投資であれ、トレードであれ、意思決定はあなたの目標と一致している必要があります。 目標ベースのトレードをしていれば、必要なときに資金が用意されている状態をつくることができます。

    しかし、感情的にトレードをすると、この原則が崩れ、自分の本来の目的とは異なる判断をしてしまうのです。つまり、長期的な視点を持てず、目先の利益や損失ばかりを気にするようになります。これは、資産形成にとって致命的な障害となり得ます。

    一方で、感情を排除したトレードでは、決定が事実・数値・論理に基づいて行われるため、より目的達成に近づくことができます。 感情をコントロールできれば、資産を増やすだけでなく、トレード自体を楽しむ余裕も生まれます。同時に、市場のさまざまな力学を理解しやすくなり、より良いトレード戦略を構築できるようになるでしょう。

    トレードが楽しくなくなる

    感情に流されてトレードを行うと、トレード自体の体験が苦痛になってしまうことがあります。

    株式市場は、成功への近道に頼らず、粘り強く取り組む覚悟があれば、確実に資産を築くチャンスのある場所です。しかし、近道を選んでしまうと、判断を誤り、せっかくの体験も台無しになります。これは、感情に左右された場合も同じです。

    「欲」や「恐れ」など、どんな感情であっても、それに基づいて判断してしまうと、悪い経験につながる可能性が高くなります。 トレード初期の悪い体験が、その後のキャリアに影響を与え、最悪の場合、市場から完全に離れてしまう原因になることもあります。

    実際、多くのトレーダーが、こうした苦い経験から市場を離れています。とはいえ、特に株式市場は、インフレを上回るリターンを生み出せる可能性を秘めています。

    リベンジトレードに走ってしまう

    感情的なトレードで損失を出した場合、その損失をすぐに取り返そうとして「リベンジトレード」に走ることがあります。 リベンジトレードとは、過去の損失を取り戻すために、冷静さを欠いたトレードをしてしまうことです。

    このようなトレードは非常に危険です。というのも、失ったお金をすぐに取り返そうという強い衝動に駆られた結果、計画性のない無謀なエントリーを繰り返してしまうからです。

    リベンジトレードの危険性はそれだけではありません。過剰なトレード(オーバートレード)を招くこともあり、手数料やスプレッドなどのコストがかさむほか、精神的なストレスも増し、誤った判断がさらに重なる可能性があります。

    しかし、感情を排したトレードを行えば、状況は大きく変わります。もし自分の思い通りにいかない日があった場合は、その日のトレードをやめ、どこに問題があったのかを冷静に分析し、次回に活かせる修正策を考えましょう。

     

    トレード中の感情をコントロールする方法

    トレード中に感情をコントロールすることは、極めて重要です!

    損失ポジションが赤字で増え続けているのを見ると、誰でも感情が揺さぶられます。その瞬間、「戦うか逃げるか」の本能が働き、損失を取り返そうとする衝動的なトレードにつながる危険があります。

    ここでは、トレード中の感情をコントロールするための10の方法をご紹介します:

    感情を受け流し、自分の気持ちをクールダウンさせる

    感情が高ぶったとき、特に負けた直後や大きく勝った直後など、冷静な判断がしづらい状況では、一度立ち止まることが重要です。

    行動に移す前に、自分の感情を客観視してみてください。もし「負けたから悔しくて入ろうとしている」「勝って気分が良くて再度トレードしたい」などの感情があるなら、冷静な状態でも同じ判断を下すか、自問してみましょう。

    感情を制するには、「感情にどう感じるか」ではなく「それが何か」を冷静に見極めることが大切です。 感情は時に論理を打ち負かしてしまいますが、それに気づけるだけで、損失を防ぐ大きな第一歩になります。

    感情を記録する

    自分がどのタイミングで感情的になったのかを把握できれば、その体験を次につなげることができます。 感情を感じたその瞬間に書き留めておくことで、自分の感情の傾向を把握しやすくなります。

    例えば、カレンダーや日記などに、その日のトレードとともに感情を記録しておきましょう。こうした簡単な習慣を毎日続けることで、1日の感情の動きを振り返ることができます。どのトレードが感情に基づいて行われたのかも、終わった後に見えてきます。

    感情の履歴を振り返る際には、特定の感情がどこから来たのかを分析することが大切です。 周囲の環境による影響なのか、それともトレード結果によるものなのかを見極めましょう。最終的な目的は、感情を抑え、できるだけトレードから遠ざけることです。その原因と影響を理解し、今後避けるための対策を講じましょう。

    思考から距離をとる

    トレード中の感情をコントロールするもう一つの方法は、「自分の思考から距離をとる」ことです。

    考えごとに囚われると、頭の中がいっぱいになって冷静な判断が難しくなります。もちろん、トレードにおいて思考は重要ですが、感情は結果に何の影響も与えません。トレードの判断は、データと事実に基づいて行うべきです。

    自分の考えが過度にトレードに影響し始めていると気づいたら、思考から少し距離を置きましょう。心をクリアにした状態で市場に入ることで、最適なトレード判断ができるようになります。

    ただし、この「距離をとる」スキルは簡単なものではありません。意識的な練習と継続的な努力が必要ですが、最終的には大きな成果をもたらします。

    マインドフルネスを意識する

    トレード中に感情に振り回されがちな方は、意識的にマインドフルネスを実践することが大切です。

    自分が何をしているかを「今ここ」でしっかり把握できれば、感情に飲まれずに済みます。たとえば、トレードで損失を出したときや利益が出たときに、強く感情が動くことがあっても、マインドフルであればそれに気づけるのです。

    マインドフルネスとは、脳に「今、特定の感情が出ている」と気づかせる訓練のようなものです。 たとえば、トレード終了後、損失が出たときでも、自分のトレードプランをあえて守るようにしましょう。この行動を繰り返すことで、脳が「プランを守るのが普通」と認識し、感情に左右されそうになったときに自動的に警告を出してくれるようになります。

    感情をやり過ごす

    マインドフルネスと併せて効果的なのが、「感情をやり過ごす」というテクニックです。

    トレード後の感情は、一時的なものにすぎません。嬉しさも悔しさも、その場限りのものです。その感情に反応して行動するのではなく、「ただ見つめる」ことが大切です。

    たとえば、あるトレードで怒りが湧いたら、それを「怒り」とラベリングして、頭の中で15分間その感情をイメージしてみましょう(時間は自分に合う長さでOKです)。最初は意味がないように思えるかもしれませんが、この訓練を通じて、感情をすぐに行動に移さず、まず「保持」する力が育ちます。

    時間が経つと、感情は自然と薄れていき、その正体や原因も冷静に見えるようになります。

    感情に新たな物語を与える

    感情をコントロールするためのもう一つのテクニックは、「新しい物語(ナラティブ)」を作ることです。 この方法は、トレーディングだけでなくあらゆる場面で有効です。感情に新たな意味づけをするとは、感情に対する考え方そのものを変えることを意味します。

    例えば、「間違ったトレード判断で腹が立っている」とき、「自分は怒っている」と断定するのではなく、「自分は“怒り”という感覚を経験している」と言い換えてみてください。

    このように表現を変えることで、自分と感情との間に適度な距離が生まれ、冷静な判断がしやすくなります。 こうした新たな視点を得ることが、心理的な気づきや成長にもつながります。もし感情のせいで気分が落ち込み、トレードを続けたくないと感じているなら、自分の感情に新しいストーリーを与えてみましょう。それが問題解決の糸口になるかもしれません。

    慎重さと恐怖を混同しない

    初心者トレーダーがよく犯す間違いの一つに、「慎重さ」と「恐怖」を混同することがあります。 恐怖は、トレードにおいて注意すべき感情のひとつですが、慎重さは論理的な思考に基づいた行動です。

    慎重であるとは、統計やデータを再評価し、合理的に判断する姿勢を持つこと。慎重さは時に一歩引いて状況を見直すことになり、結果的に大きな損失を避けられるかもしれません。

    もちろん、慎重さが行き過ぎるとチャンスを逃すこともあります。しかし、最終的に大切なのは、「損失を最小限に抑えること」です。

    トレード後は散歩する

    各トレードの後は、頭をリフレッシュさせることが大切です。 1日のトレーディング判断を分析し終えたら、散歩に出てみましょう。歩くことには、思考を整理し、感情を落ち着かせる効果があります。

    たとえ取引の途中でうまくいっていないと感じても、画面の前に座ってイライラしているより、気分転換として外を歩く方がよほど有意義です。わずか10〜15分の散歩でも、気持ちがリセットされて冷静な視点を取り戻すことができます。

    その結果、見落としていた小さな要因に気づき、今後の改善につながることもあります。マーケットに引きずられるのではなく、自分の意思でマーケットから離れることもトレーダーにとって重要なスキルです。

    利益や損失にこだわりすぎない

    トレード中は、利益や損失ばかりに意識を向けないようにしましょう。 これは簡単ではありませんが、だからこそ「トレードプラン」が必要です。

    その日の目標利益と、損失の上限(ロスカットライン)を事前に設定しておきましょう。設定したラインを超えない限り、冷静さを保ちながら取引を続けることができます。

    利益や損失にとらわれすぎると、感情的な判断につながります。たとえば、連続で3回負けると「取り返したい」と思って無理なトレード(リベンジトレード)をしがちです。逆に利益が出ているときには、「せっかくの利益を失いたくない」とリスクを取れなくなります。こうした感情に左右されないためにも、利益・損失の数字から一歩距離を置きましょう。

    トレードプランを立てる

    最後に最も重要なのは、明確なトレードプランを立てることです。 きちんとしたプランを持っていれば、感情的な判断から自分を守ることができます。

    ただし、プランを立てただけで満足してはいけません。プランがあっても、それを守らなければ意味がないのです。

    ほとんどの成功しているトレーダーは、自分なりのルールや戦略を持っています。なぜなら、利益を確定させるには、最終的にポジションを解消するタイミングが重要だからです。トレードプランは、冒険家にとっての地図のようなもの。ゴールに向かうために欠かせない道しるべなのです。

     

    トレーディングにおける感情のまとめ

    トレードにおける感情のコントロールとは、感情や思考を排除することではありません!感情は常に湧き上がってくるものであり、それを完全に消すことはできません。

    むしろ大切なのは、それらの感情を認識し、正しく対処することです。これこそが本記事の主旨です。感情のコントロールは時間がかかりますが、その努力に見合うだけの価値があります。 少しずつでも意識的に実践を重ねることで、冷静で安定したトレーダーとして成長できるでしょう。

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